コーティング事例
Sample

Si ウエハーへのフォトレジストコート

事例として、フォトレジストFPPR-200(富士薬品工業株式会社製)を用いて、理論膜厚算出をします。

理論値の算出

項目 数値 単位
粘度 8.5 [mPa・s]
密度 0.98 [g・cm3]

※ 液の粘度及び密度はFPPR-200製品仕様より抜粋

上記表より、動粘度係数は、約8.67mm2/sec。

スピンコーターの設定数値等

項目 数値 単位
初期膜厚  0.01 [mm]
回転速度 5,000 [rpm]
回転経過時間 10 [sec]

上記条件より、下記理論膜厚が導き出されます。

スピンコーター理論膜厚

実際のコーティング事例

下記データが、実際にレジストをスピンコートし、分光膜厚計で測定をおこなった結果です。半導体用フォトレジストは、シリコンウエハ等の表面に薄膜塗付し、フォトマスクを置いて紫外線照射することにより、感光させます。主にIC回路やプリント基板等に使用されます。

  • 膜:レジスト
  • 基板:Si
  • 測定波長:400nm~1,000nm
  • 測定装置:反射分光式膜厚計 AFW-100W
Siウエハー画像

コーティング条件:回転数 2,500rpm

レジスト膜の反射率スペクトル 2,500rpm
レジスト膜の反射率スペクトル(2,500rpm)

コーティング条件:回転数 5,000rpm

レジスト膜の反射率スペクトル 5,000rpm
レジスト膜の反射率スペクトル(5,000rpm)

スピンコーターの回転数と膜厚の関係

膜種 回転数  実測値  屈折率 
レジスト 2,500rpm 779.800nm 1.6
レジスト 5,000rpm 558.600nm 1.6
スピンコーターの回転数と膜厚の関係

上記関係式は簡易モデルによる関係式のため、実際のスピンコートでは、様々な要因による影響が含まれます(例えば、回転数のSTEP制御や、基板上の液滴下条件等が存在します)。そのため、上記式により導出した膜厚は参考程度に留めることをお勧めします。